セカンドライフでいくら必要?「支出の黄金期」

退職前後のお金

こんにちは。
58歳になり、定年退職がいよいよ現実味を帯びてきた今日この頃です。
楽しみな反面、「退職して毎日何をして過ごすのか」という問いには、まだ明確な答えが見つかりません。
趣味のマラソン、釣り、自転車——どれも楽しいですが、
さすがに毎日そればかりというわけにもいきません。

そんなモヤモヤを抱えたまま、私は先日、2週間の休暇を取り
’’プチ退職体験”をしてみました。
朝一番のカフェ、ランチ巡り、温泉ランニング、そして断捨離。
健康的に満喫しました
この体験を通して、ひとつの確信にたどり着きました。

それが、「セカンドライフは支出の黄金期である」という考え方です。

「お金を一番幸せに変換できる」奇跡の期間

一般的に定年後は「お金が減っていく不安な時期」と捉えられがちです。
しかし実は、「お金・時間・健康」この3つが奇跡的にそろう唯一の期間でもあります。

  • 現役時代:お金と健康はあるが、時間がない
  • 80代以降:お金と時間はあっても、健康(体力)に不安

60歳から75歳前後までの約15年間——
体力が残り、自由な時間があり、蓄えもある。(ここまでに準備した蓄えをどう活かすか)
この「3つの重なり」
これこそが、人生における「支出の黄金期(ゴールデン・タイム)」なのです。

「節約」から「人生の栄養」へ

私は冒険を決断!
60歳からの5年間で、500万円の予算を組んで旅行に出ることに。

現役時代、「節約、節約」と自分に言い聞かせてきた私にとって、これはまさに人生最大の冒険です。
住宅ローンを完済し、退職金の一部を切り崩して作るこの500万円
あまりの変化に、妻も思わず「本気なの?」と驚いたほどです。

なぜ、ここまで考え方が変わったのか。
それは、セカンドライフの支出を深掘りする中で、
「80歳以降は生活費が下がっていくこと」
そして何より「旅行は人生の栄養である」と気づいたからです。

お金をただ守るのではなく、動けるうちに“経験”という栄養に変えていく。

「老後生活費の置換率(リプレイスメント・レート)」

FP(ファイナンシャルプランナー)や経済学の世界では、「リプレイスメント・レート(所得代替率)」という考え方を使います。

  • 一般的に、現役時代と同じ生活水準を維持するには、現役時代の年収の70〜80%が必要と言われています。
  • しかし、80代になるとさらに活動量が減るため、これが50〜60%程度まで下がっても満足度が維持できるという研究結果もあります。

世帯別の平均生活費(月額)

総務省の家計調査や生命保険文化センターの最新調査をまとめると、以下のようになります。

世帯タイプ最低日常生活費(平均)ゆとりある生活費(希望額)
夫婦二人暮らし約 23.9万 〜 28.7万円約 37.9万 〜 39.1万円
一人暮らし約 14.5万 〜 15.5万円約 20万 〜 25万円

やはり平均とゆとりある家計とではかなりの差が出てきますね
また、​​多くの世帯は、入ってくる年金の範囲内で生活をやりくりしようとするため、結果的に支出が抑えられます。これは「節約」というより「適応」に近い形ですね。

体力の低下により、そもそも「お金を使ってどこかへ行く」「何かを買う」という意欲自体が減退し、結果としてお金が使われなくなります。

生活費の内訳を見てみる

実際にどんな項目にいくらかかっているのかを見てみましょう。

支出項目月額目安(円)コメント
食費60,000外食が多いと増える
住居費15,000〜60,000持ち家か賃貸かで大きく変動
光熱・水道費20,000電気・ガス・水道
通信費10,000スマホ・ネットなど
医療・介護費15,000〜30,000年齢とともに増加傾向
交通費5,000〜15,000車維持費含む
趣味・交際費20,000〜50,000旅行・ゴルフ・飲み会など
保険・税金など10,000〜20,000住民税・医療保険など
その他(雑費)10,000予備費など

合計:約25万〜45万円/月

この範囲に自分の理想の生活をどこに位置づけるかで、必要な貯蓄額も変わります。

私は今、車を2台所有していますが退職後は1台にすることを決めています。
満足度の低い支出は削減する、退職後は他にも固定費、食費ももう一度見直します。

資産がなくても「黄金期」を楽しむ

「そうは言っても、うちは資産が潤沢じゃないから……」 そんな風に、黄金期という言葉を遠ざけないでください。実は、資産が限られているからこそ、「支出の優先順位を戦略的に考える必要があるのです。

80代になれば、お金は「使いたくても使えない」

驚くかもしれませんが、80代以上の先輩方の家計簿を見ると、多くの方が現役時代よりもずっと少ない予算で暮らしています。 これは我慢しているというより、「体力的に豪華な食事がきつくなる」「遠出が億劫になる」といった、身体的な変化による自然なダウンサイジングです。

つまり、人生の最後の方は、それほどお金がかからないようにできているのです。

資産の「前倒し投資」という考え方

「万が一、長生きしてお金が足りなくなったら……」という不安から、今やりたいことを全て我慢して80代に備えるのは、実は少しもったいないかもしれません。
ただし、80歳以降の暮らしに備えた最低限の資産確保も忘れずに)

お金を使わない「知恵」こそが黄金期の武器

黄金期を楽しむのに、100万円単位の貯金は必要ありません。

  • 1,000円の交通費で、行ったことのない駅で下車して歩いてみる。
  • 図書館という「無料の書斎」で、現役時代に読みたかった名作に没頭する。
  • 自治体の格安ボランティア講座で、新しい仲間を作る。
  • 朝、自宅でパンを焼いてみる(朝一のカフェより感動があるかも)

これらはすべて、「気力と体力」がある今しかできない、最高の贅沢です。80代になって気力が落ちてからでは、これらを楽しむことすら難しくなります。

資産を守ることに必死になって、「お金を幸せに変換できる貴重な時間」を、ただの不安で塗りつぶしてしまわないようにしたいものです。

私が先月体験した「2週間のプチ退職」期間中、もっとも満足度が高かったのが『温泉ランニング』です。

私のおすすめ「温泉ランニング」

やり方はとてもシンプル。 身近な温泉地まで行き、その周辺を3〜5kmほど軽く走る。ひと汗かいたところで温泉に浸かり、その後でゆっくりランチを楽しむ。たったこれだけです。

でも、これが驚くほど充実するんです。 ただランチに行くだけだと「外食」で終わりますが、自分の足で走った後の温泉と食事には、「やり遂げた!」という最高の達成感が加わります。

遠くの海外旅行に行かなくても、日帰りで、しかも数千円でこれほど新鮮な「贅沢」が味わえる。セカンドライフの黄金期を楽しむのに、大金はいらないのだと実感した瞬間でした。

支出の黄金期を利用する「甘い罠」に注意!

「手元の現金を増やして、今のうちに黄金期を謳歌しよう」 そんな魅力的なキャッチコピーの裏には、せっかくの黄金期を台無しにしかねない「甘い罠」が潜んでいます。退職金というまとまったお金を手にしたときこそ、慎重な判断が必要です。

住み続けられる保証のない「リースバック」

自宅を売却して現金を手にし、そのまま家賃を払って住み続けるリースバック。一見、合理的に見えますが、リスクを忘れてはいけません。

退職金を狙う「外貨預金・仕組み債」の勧誘

銀行の窓口などで、「退職金を寝かせておくのはもったいない」「円安対策に外貨預金を」と勧められることがあります。しかし、これらには高い手数料や為替リスクが隠れています。

「よく分からないもの」に投資しない

黄金期の資金作りで最も大切なのは、資産を爆発的に増やすことではなく、「納得感のない損失を出さないこと」です。 「今のうちに増やさなければ」という焦りは、判断を狂わせます。相場より安い価格での売却や、中身のよく分からない金融商品に変えてしまわないよう、まずは深呼吸が必要です。

まとめ

セカンドライフに一体いくら必要なのか?
その答えは、単なる預金残高の数字ではなく、「あなたが何を幸せと感じ、何に時間を使いたいか」という心のなかにあります。

2週間の「プチ退職体験」で私が一番に感じたこと。
まずは、今週末の「1万円」の使い方を少しだけ変えてみませんか? 比較を捨て、完璧を求めず。 自分にとっての「心地よいバランス」を見つけたとき、あなたのセカンドライフは世界で一番贅沢な時間に変わるはずです。

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