こんにちは。
今日は、私自身の経験をもとに「相続とエンディングノート」の大切さについて書いてみたいと思います。
定年を迎える年代になると、自然と「死」と向き合う場面が増えてきます。資産や負債を整理し、自分の代で終わらせるもの、次の世代に引き継ぐものを見極めることは、とても大切な作業だと感じます。
私自身、ネット証券やネット銀行を多く利用していますが、それらを家族と共有していません。
今はすべてスマホの顔認証や指紋認証で管理され、本人以外はアクセスできない仕組みです。
もし自分に万一のことがあった場合、これらの資産が家族に伝わらず、手続きが止まってしまうのではないか?そんな不安を感じています。
こうした時代だからこそ、「相続」と「エンディングノート」は他人事ではなく、自分と家族の未来を守るための“今から始める準備”なのだと思います。
相続税は多くの人には“関係がない”?
相続の話になると「相続税が大変そう」と心配する方も多いですが、実は相続税を納める人は全体の約8〜9%程度しかいません。
(令和5年の国税庁データでは、全国の死亡者約160万人に対し、課税されたのは約14万人ほどです。)
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」あるため、夫婦と子2人の家庭なら4,800万円までは非課税になります。(配偶者への控除額は1億6000万円)
つまり、ほとんどの家庭では「税金よりも手続きや情報整理のほうが大変」なのです。
だからこそ、エンディングノートで財産や口座の整理をしておくことが、実際の安心につながります。
銀行口座は「亡くなった」と伝えると凍結される
これは実際に経験して驚いたことですが、銀行に「本人が亡くなりました」と伝えた瞬間、その口座は即時に凍結されます。
引き出しや振込はできなくなり、葬儀費用さえすぐには支払えない状況になることもあります。
父の時にはお葬式の準備で大変でそれどころではなく、お葬式の費用とかは私が支払いました。
銀行としては不正利用を防ぐための当然の対応ですが、家族にとってはかなり不便です。
だからこそ、どこの銀行にどんな口座があるのか、最低限の情報を家族が知っておくことが大切です。
エンディングノートには、「銀行名・支店名・預金種別」くらいは書いておくと安心です。
エンディングノートの紹介(エンディングノートと遺言書との違い)
エンディングノートは、遺言書のように法的効力を持つものではありませんが、自分の想いや情報を家族に伝えるための“心のノート”です。
資産や口座の一覧、医療・介護の希望、感謝のメッセージなど、自由に書けるのが特徴です。
一方で、遺言書は「財産の分け方」を正式に指定するための書類で、エンディングノートはその前段階の整理ツールとして活用できます。
相続は“お金の話”ではなく、“家族の安心”の話
ほとんどの人が「相続」と聞くと、真っ先に“相続税”や“負債”を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、実際に経験してみると、それ以上に大切なのは家族が安心して手続きを進められる準備でした。亡くなった後、残された家族は悲しみの中で多くの手続きをこなさなければなりません。
銀行、年金、保険、公共料金…ひとつひとつの連絡が意外と大変です。
そんな時に「何をどこに伝えればいいか」が整理されていると、本当に助かります。
私の体験:銀行口座の多さに驚いた
困ったこと
母が亡くなったとき、最初に困ったのは「銀行口座がいくつあるのか分からない」ということでした。
家の引き出しを開けるたびに通帳やキャッシュカードが次々と出てきて、地方銀行、信用金庫、郵便局と、あらゆる金融機関の名前が並びました。
同じ銀行に定期預金がいくつも分散されており、どれが現役でどれが解約済みなのかも分かりません。
ひとつひとつ照会をかけ、残高証明を取り寄せるだけで何週間もかかりました。
さらに、負債の有無、家の売却やお墓の処分、知人への借金、兄弟との遺産配分など、確認しなければならないことは山のようにありました。
「どこに何があるのか」「どうして欲しかったのか」を把握していないだけで、手続きがここまで大変になるのかと痛感しました。
助かったこと
一方で、ありがたかったのは父が残してくれた“権利書ファイル”でした。
家とお墓の書類を一つのファイルにまとめ、保管場所も教えてくれていたおかげで、登記や名義変更の手続きはとてもスムーズでした。
(家の購入時の領収書やリフォームの領収証があれば、経費として申告でき税金が安くなることもあります。)
今振り返ると、両親がもしエンディングノートや口座一覧を残してくれていたら、どれほど助かっただろうと思います。
母の「縁起でもない」という気持ち
母にも「エンディングノートを書いてみたら?」と勧めたことがあります。
でも母は、「私の死ぬ時の話はやめて。そんなことどうでもいい」と機嫌を悪くしてしまいました。
その気持ち、今ならよく分かります。
“エンディングノートって少し面倒だし、縁起でもない”と感じる方も多いでしょう。
けれど実際には、家族への思いやりを形にするノートです。
たとえ書けなかったとしても、「何を残したいか」と考えること自体が、すでに優しい準備なのかもしれません。
デジタル時代の相続問題:ネット証券・ネット銀行・スマホ
私自身も、最近はネット証券やネット銀行を利用しています。
スマホで完結する取引が増え、紙の通帳もありません。
つまり、スマホが開けなければ口座の存在すら家族が分からないという時代です。
実際、私が亡くなった後を想像すると、ネット証券やネット銀行、SNS、電子マネー、クラウド保存データなど、どれもスマホやパスワードが分からなければ家族は手の出しようがありません。
解決策としては、
- パスワードをすべて書くのではなく、「保管場所」だけをエンディングノートに記す
- 「口座やIDの一覧」を紙やUSBメモリなどで安全に保管する
- 「もしものときの連絡先(証券会社・税理士など)」を明記しておく
こうした小さな準備が、家族にとっての大きな助けになります。
エンディングノートは“人生ノート”
エンディングノートは、決して「終わりのノート」ではありません。
むしろ、これからの生き方を整理するノートだと思います。
財産や口座だけでなく、
- これからやりたいこと
- 感謝を伝えたい人
- 最期はどんな風に過ごしたいか
そんな前向きな内容も書いておくと、書く時間そのものが心の整理になります。
まずは1ページから、気軽に始めてみよう
完璧を目指す必要はありません。
「銀行口座」「保険」「証券」「パスワード保管場所」など、書けるところから1ページずつ埋めていくだけで十分です。
形式にこだわらず、自分と家族が分かりやすい形で残しておくことが一番です。
おわりに:エンディングノートは“家族へのラブレター”
両親の相続を経験して思うのは、
「エンディングノートは家族への最後のラブレター」だということです。
資産の額よりも大切なのは、残された家族が迷わず、安心して日常を取り戻せること。
それを支えるのが、あなたの一冊のノートです。
どうか元気なうちに、少しずつでも書き始めてみてください。
きっとそのノートが、未来の家族を優しく支えてくれます。皆さんの「新しい始まり」が、素晴らしいものになりますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント