先日、1つ年下の同僚から「退職を考えている」と相談されました。 年齢も近く、普段からよく話す相手だっただけに、少し驚きました。
ただ、不思議なことに「羨ましい」という気持ちはほとんどありませんでした。 むしろ、話を聞くうちに、少しだけ違和感を覚えました。
その同僚は、すでにファイナンシャルプランナー(FP)に相談しているとのこと。 「ちゃんと相談しているなら安心かな」と思ったのですが、よく聞くと無料相談のFPでした。
もちろん、無料相談が悪いわけではありません。 ただ、人生の大きな決断をするには、少し心もとない気がしました。
さらに話を聞くと、生活費の計算もざっくりしている印象でした。 金融資産はある程度あるようでしたが、ライフシミュレーションというよりは、なんとなくの見込みに近い感じです。
「退職の話は上司に伝えたの?」と聞くと、 「一応伝えたけど、まだ辞める日は決まっていない」とのこと。
会社側も退職者が少ない職場のため、上司もどう対応すべきか戸惑っているようでした。 それなりに大きな会社なのに、意外とこういうケースは珍しいのかもしれません。
話を聞いていて感じたのは、人生の大きな決断にしては、少し「数字が雑」に見えるということでした。
私が感じた違和感のポイント
- 「FPに相談した」とはいえ、無料FP
- 支出の計算がざっくりしている
- 退職日がまだ決まっていない
- 上司も退職の扱いに慣れていない
- 私たちの年代になると、退職金・傷病手当・失業給付・年金の繰り上げなど選択肢が増える。それを前提に生活設計を組んでしまうのは、少し危うい気がする
もちろん、他人の人生です。最終的に決めるのは本人ですし、私がとやかく言う立場でもありません。
ただ、話を聞きながら、ふとこんなことを思いました。
退職は自由だけれど、数字は現実だ。
会社を辞めるという決断は、気持ちだけでは成立しません。 その後の生活を支えるのは、結局のところ「お金」と「計画」です。
気持ちが先行すると、実際の計画を感情に引きずられて、数字を歪めて見てしまいがちです。 現実の生活に落とし込むには、やはり丁寧な数字の積み上げが必要だと思います。
同僚の話を聞きながら、少し心配になると同時に、自分自身の将来についても改めて考えさせられました。
もし自分が同じ立場だったら、どうするだろうと考えてみました。
まず思い浮かんだのは、有給休暇のことです。 できれば残っている有給はすべて消化してから辞めたい。できるなら介護休暇も同様に、と思います。
ただ、ここで気になるのが上司との関係です。 物分かりのいい上司なら話は早いのですが、理解してもらえない場合はどうするのか。
極端な話、辞表を出してその日から出社しないという選択も、制度上は可能かもしれません。 しかし、そこまで割り切れるかと言われると、正直なところ迷いがあります。
今の職場は、決して余裕のある人数で回っているわけではありません。 誰か一人抜けるだけで、周りの負担が増えてしまいます。
特に気になるのは、後輩たちへの影響です。 自分の人生を優先することは大切ですが、「職場に迷惑をかけるのではないか」という気持ちも、どこかに残ります。
退職とは、単に「会社を辞める」というだけでなく、人間関係や職場の事情など、さまざまな現実が絡み合うものなのだと改めて感じました。
人の決断を見て気づくことは、意外と多いものです。 誰かの退職を批判したいわけではありません。
ただ、一つだけ思うことがあります。
人生の大きな決断ほど、数字は丁寧に扱うべき。
退職とは、会社を辞めるという手続き以上に、「人との関係をどう終えるか」という問題なのかもしれません。


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