退職まで、あと700日。
カウントダウンを始めて、会社の見え方が変わってきました。
こんにちは、西風スマイルです。 58歳、サラリーマン歴40年、FIRA60(60歳リタイア)を目指しています。
前回の「ポジションを失った日、57歳のベテランが気づいたこと」から、季節がひとつ進みました。
今月は、5月の現在地を、ジャーナルとして残しておきます。
サラリーマンの「あと700日」が、何を見て、何を考えているのか。 退職してからでは、もう書けない記録です。
取引先から聞こえてくる、世界の温度感
5月に入って、エネルギー産業、化学産業がざわついています。
きっかけは、イラン情勢です。
イラン情勢による原油高は、元売り各社に一時的な在庫評価益をもたらす一方、調達コスト増と供給不安が重荷となっています。
化学会社は原料ナフサの高騰と物流停滞により、採算悪化と製品供給の制限という深刻な「コストプッシュ」の局面にあります。
全体として、エネルギー自給率の低さが企業の業績不透明感を強める結果となっています。
こうした事態を受け、政府は備蓄原油を放出しています。
そして、米国大統領の発言ひとつで、相場が一喜一憂する。 SNSも、専門家のコメントも、毎日のように更新される。
ニュースで見ているだけなら、「ふーん」で済む話です。
でも、私の場合は違います。 取引先の知人たちから、現場のリアルが直接届くのです。
石油精製会社の知人は、こう言います。 「備蓄原油の処理には、想像以上の問題点がある」
長期保管された原油は、品質も性質も新油とは違う。 製造ラインに乗せるための調整が、想定以上に手間がかかる。 コストも、現場の負荷も、ニュースには出てこない部分で増えている。
また、原油は入ってくるが、軽油・ジェット燃料については、ケミカル(添加剤など)の調達に無理があり、製品として出荷できない可能性があるそうです。
素人ながら、こう想像します。 燃料を精製しても、添加剤などのケミカルが調達できなければ、製品として出荷できないのではないか——と。
化学薬品会社の知人は、別の悩みを抱えています。 「原料油の調達が、本当に難しい」
価格の問題だけではない。 「2週間後の調達が、まだ決まっていない」——これが現場の実情だそうです。
それでも、経済は動いている。 工場は稼働している。 製品は出荷されている。
エネルギーは、日本の生命線です。 石油が枯渇すれば、化学も、製造も、物流も、生活のすべてが止まる。 私たちの暮らしは、化石燃料と密着しすぎている。
こういう現場の温度感は、会社員でいるあいだしか聞けない情報です。
退職したら、私は「ニュースを見る側」になります。 今、知人から直接話を聞ける立場にいることの貴重さを、最近よく感じます。
退職を決めてから、仕事との距離感が変わった
退職を決めてから、自分の中で何かが変わり始めています。
仕事への向き合い方が、以前と違います。
今期も、会社に個人業務目標を提出しなければなりません。 「働かないおじさん」にはなりたくないので、ちゃんと出します。
そして、管理職チャレンジも自主申請しました。 これは半分、義務化されています。 出しても管理職になることはまずないけれど、出さないと降格の恐れがあるからです。
正直に書くと、こういう手続きを進めながら、心はどこか他人事です。
「2年後にいないのに、何のために?」 そんな気持ちが、頭の隅にずっとあります。
それでも、私はちゃんと書類を出します。 最後の2年も、給料をもらっているプロとして、責任を果たすためです。
ただし、目の前の業務に対する集中力は、明らかに変わりました。
以前は、長期的な視点で「来年、再来年、その先」を考えていました。 今は、「今年、半年、3ヶ月」と、視点が手前へ手前へ動いています。
退職カウントダウンが、時間軸を短くしていくのを、自分でも感じます。
再雇用を、私が「拒否」した理由
最近、もう一つ大きな意思表示をしました。
再雇用の申請を、拒否したのです。
(実際には、退職直前にもう一度意思確認があるはずです。最終的にはその時に確定します)
なぜ拒否したのか。 理由は、複数あります。
まず、ライフプランとキャッシュフローを計算した上で、危険物を扱う緊張感から解放されたいという気持ちが大きいです。 (要するに、今の仕事を辞めたいだけかもしれません)
再雇用の条件も、書き出しておきます。
私の会社の再雇用条件は、給与55%ダウン。 住宅手当もなくなるので、実質的には65%以上のダウンになります。 ただし、賞与は意外と出るようです。 それを含めて計算すると、実質60%ダウンくらいに収まる見込みです。
「賞与が出るなら、再雇用も悪くないのでは?」
そう感じる方もいるかもしれません。 実際、世間一般から見れば、これでもかなり恵まれた条件だと思います。
私自身、今の給与水準についてももらいすぎている自覚があります。 本当にありがたいことです。
それでも、再雇用を拒否する理由があります。
モチベーションが保てない、危険物を扱う緊張感から解放されたい—— これが表向きの理由です。
でも、本音はもっと別のところにあります。
FIRA60が射程圏内に入った今、私は「時間の期限」に気づいてしまった。
同じ仕事を5年続けるその時間が、もったいないと感じ始めている。 自分でもびっくりするような、心境の変化です。
退職を決めているからこそ、この再雇用の話は、どこか他人事として聞けます。 「でも、世間から見ればこれでも恵まれた話なんだろうな」と、第三者目線で受け止めている自分がいます。
5月、長期休暇を申請した
そんな中、私は5月中旬から2週間以上の長期休暇を申請しました。
行き先は、北海道。 人生初の北海道ツーリング&カヌー体験です。
昔の私なら、考えられないことです。
サラリーマン40年のキャリアの中で、2週間連続の休暇なんて、一度も取ったことがありませんでした。 「そんなに休んだら、申し訳ない」という空気が、ずっとありました。
でも、今は時代が違います。
介護休暇、育児休暇、長期病気休暇—— 「長く休む」ことが、社会的に当たり前になっています。
会社側も、長期休暇を受け入れる体制が整ってきました。 申請を出しても、以前のような「特別扱い」の空気はありません。
これは、時代の変化に感謝したい点です。
私が若い頃に長期休暇を取ろうとしていたら、絶対に認められなかったでしょう。 58歳の今だからこそ、この自由を享受できる。 タイミングが、たまたま味方をしてくれました。
来年の予定が、今の自分を映している
5月の上司との面接が終われば、今期は特段大きなイベントはなさそうです。
ただし、来年は違います。 かなりの規模の改造&補修が予定されているようです。
これは、業務量も体力負担も、相当なものになる予感があります。
ふと考えました。
もし今、部署異動や業務内容の大きな変更があったら、私はどうするだろうか。 今の業務は、肉体疲労が大きい現場仕事です。
もしデスクワーク中心の部署に移ることがあれば、再雇用も考え直すかもしれません。
でも、おそらくそういう異動はないでしょう。 現場のベテランが急に異動になるのは、組織として現実的ではない。
だから、私は淡々と今の業務を続けて、退職の日を迎える。 それが、たぶん一番自然な流れです。
結論:残り700日に見える景色
カウントダウンが始まると、見える景色が変わります。
- 業界の知人の声が、貴重に感じる
- 業界の動きを、現場目線で聞けることに、感謝が生まれる
- 自分の体力と、業務負荷を、冷静に見比べるようになる
- 会社の制度を、「自分のため」ではなく「次の世代のため」と捉え直す
そして気づくのは、残り700日は、まだ十分に長いということです。
この700日で、どれだけ多くのことが起きるだろうか。 業界がどう変わるだろうか。 私の仕事への気持ちが、どう変化していくだろうか。
それを、リアルタイムで書き残しておきたい。 これが、このジャーナルを書く理由です。
退職してから振り返るのではなく、 今、まさに、その渦中にいる自分を書く。
これは、退職した後では、絶対に書けない記録だから。
6月のジャーナルでは、その後の景色を書きます。
このジャーナルを書いている今、残りは670日になりました。 1ヶ月、また減りました。
カウントダウンは、続きます。


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