59歳マラソンへの挑戦②——月300km走るより、家を出るほうが難しい

健康ーマラソン挑戦

こんにちは、西風スマイルです。

FIRA60(60歳での、ちょっと早めのリタイア)まで、残り約580日。59歳の会社員です。

前回、「8月の走行距離は0km、それでもPBを狙う」という記事を書きました。今回は、その続きのランニングジャーナルです。

先に、ひとつ白状しておきます。

今月(10月)は、300kmほど走れそうです。この距離で言うのも恥ずかしいのですが、それでも私は、走る前に「今日はやめよう」と考える時があります。

今日は、その話です。

▶ 前回の記事は、こちら → 「59歳マラソンへの挑戦——8月走行距離0km、それでもPB挑戦」

9月200km、10月はたぶん300km

9月5日に走り出してから、9月の月間走行距離は200kmになりました。

再開したばかりの頃は、骨が軋むような感覚と、いつもと違う筋肉痛がありました。前回書いた通りです。

あれは、4〜5日で消えました。

ただ、距離を急に伸ばすと疲れが残りそうだったので、体と相談しながら、少しずつ伸ばしていきました。1ヶ月で、1回のランで20kmくらいまでなら走れるようになっています。

10月は、たぶん300kmくらいになりそうです。

悩んだのは、夜勤との兼ね合いでした。夜勤の前の朝、走るかどうか。それに9月はまだ暑くて、走る気力そのものが削られがちでした。

そこで、土台にしたのが、妻との朝活です。

朝6時ごろに起きて、軽く食事をして、いつもの朝のルーティンを済ませる。そして妻と30分ほど、一緒にウォーキングをする。

その時、私はもうランニングの格好で家を出ています。

ウォーキングが終わったら、家には帰らず、そのまま走り出す。9月は、そこから60分〜90分ほど走りました。

家を出るのは、妻と一緒。走り出すのは、その延長です。

これが、思っていた以上に良かった。

でも、自己ベストの頃には程遠い

とはいえ、自己ベストを出した2022年の走りには、まだまだ程遠い状態です。

あの頃は、20kmを4日続けて走っても、疲れが残りませんでした。強度も、フォームも、ペースも、それができるところに収まっていた。

ただ、あの頃は日勤でした。今は夜勤があります。夜勤明けに走ると、次の日のランニングがかなり重く感じる。

夜勤をしながら、どこまで戻せるのか。今回は、そのデータ取りでもあります。

リディアードに救われたのは、速くなるからではなかった

私の練習の土台になっているのは、リディアードという人のトレーニング理論です。

ざっくり言うと、最初の何週間かは、スピードや強度ではなく、とにかく距離と時間を積み上げる。速く走る練習は、その土台ができてからにする。そういう考え方です。

少し古い理論の様です。でも、私には合っていました。

知ったのは、2022年頃です。YouTubeで、私より5歳上のランナーが、こんな話をしていました。

インターバル走のようなきつい練習ばかりしていたが、ペースを落として、時間をかけて距離を踏むようにしたら、自己ベストが更新できた、と。

そこから調べて、行き着いたのがリディアードでした。

私の目標は、2時間以上走ることです。もっと言えば、2時間を過ぎてからが、本当の練習だと思っています。

毎日走っても、ケガをしないペースとフォームで。もちろん、いきなり2時間から始めたりはしません。

ただ、私がこの理論に救われたと思うのは、速くなったからではありません。

家を出るハードルが、下がったからです。

今日はインターバル、今日はペース走、ときつい練習メニューを考えると、それだけで家を出るのが嫌になる。

でも、強度ではなく時間なら、ゆっくりでいい。

ゆっくりでいいなら、とりあえず家を出られる。

気軽にランニングを楽しめる。

だから、無理なく続けられたのだと思います。

最近は、YouTubeを流し聴きしながら走ることもあります。

以前ランニング時間は瞑想に近いと書きましたが、今はドライブに近い感覚です。

▶ 「瞑想に近い」と書いた記事は、こちら → 「『週3〜4時間の運動』は贅沢か?——58歳が考える、時間投資のROI」

「西風さんは、キロ6分くらいのジョグでしょ」

以前、ランニングのデータを共有している若い子に、こう言われたことがあります。

「西風さんのペースって、いつもキロ6分くらいのジョグですよね」

たぶん、悪気はありません。データを見て、軽く言っただけだと思います。

ただ、心の中では、勝手にイライラしていました。

俺のレースペースは、もっと速いんやけど。

……59歳にもなって、何を張り合っているのでしょうね。

でも、私が大切にしているのは、ペースではなく、練習の時間と距離です。

ペースを気にしすぎると、ケガをしやすくなる。それに、もっと困ることがあります。

ペースのハードルを上げると、また、家を出られなくなるのです。

ふだんの練習では、ペースを気にしすぎない。しっかり距離を踏む。近道はない。今回、走り直してみて、あらためてそう思っています。

前回は「4時間を切ってきたプライドを捨てる」と書きました。今回は、キロ6分のプライドも捨てます。

前の晩に、全部決めておく

では、どうやって家を出ているのか。

私はサラリーマンなので、走れない日は必ずあります。忙しい日もあれば、付き合いもある。家族の都合も、体の調子もあります。

9月に走ったのは17回。

10月は、22日までで14回です。

感覚としては、月に走れる日は20〜25回くらい。

走れる日には、限りがあるのですよ。

だから私は、まず確実に走れる日を決めます。

残業はたいてい2週間前には分かるので、それも加味して、走れる日に距離を割り振っていく。

そして、走ると決めた日の前の晩に、全部決めてしまいます。

走るコース。

朝ごはん。

家を出る時間。

スマホで動画は見ないで、早めに寝る。

ランニングのTシャツを着て寝ることもあります。起きたら、そのまま走れる状態にしておくためです。

仕事の憂鬱なことは、考えない。

そして朝は、体の調子も考えない。余計なことを考えずに、靴紐を結んで、家を出る。

走り出して、本当に具合が悪いと思ったら、その時は諦めて帰ればいい。

夜勤の前の日も、同じです。前は、夜勤の前は走るのをやめようと思っていました。でも今は、朝のうちに走って、昼寝をする。

夜勤明けは、まっすぐ帰って、シャワーを浴びて、すぐ寝る。夕方に少しだけ早く起きて、その時間を使う。

少しでも、空いている時間を見つける。

……と、偉そうに並べましたが、これは私が自分に言い聞かせている段取りです。

そうでもしないと、私は家を出られないのです。

走る前は、今でも、やめることを考えます。

考え始めると、時間が逃げていく。というより、自分が逃げていく。

だから、考える前に、ランニングシューズを履いて、家を出て、ウォームアップを始めてしまう。

それくらい、走るハードルは高い。今でもです。

▶ 「ちょっとだけ」と「少しだけ登ろう」の話は、こちら → 「ソファーが、怖い——「ちょっとだけ」と「少しだけ登ろう」の話」

59歳の体を、数字で見てみた

最近は、こんなものまで数字で見られるようになりました。

腕時計とスマホで測れる、今の私の体のデータです。自慢に見えたら、すみません。

肺活量とかは、専門の器具での測定です

指標今の数字メモ
身長・体重169cm・62kg
安静時心拍数43bpmじっとしている時の、1分間の心拍
血圧110/60
VO2max50体が取り込める酸素の量。持久力の目安。レース前は53〜55まで上がると予想
乳酸閾値 心拍数132bpmきつくなり始める境目。過去には145まで上げた実績あり、レース前には上げたい
乳酸閾値 ペース4分58秒/km過去には4分40秒まで上げた実績あり、レース前にはそこまで上げたい
HRV(心拍変動)34ms回復具合の目安。今は「バランス」。調整期は37前後を予想
トレーニング負荷1057(負荷比1.0)ガーミンの判定は「最適」
肺活量3.93L
1秒量2.71L最初の1秒で吐き出せる空気の量
1秒率70.2%正常の下限ぎりぎり(肺年齢77歳の根拠)
睡眠時の呼吸数最低7回/分・平均14回/分今回の驚き
月間走行距離約300kmほぼジョグ
フルマラソン自己ベスト3時間30分17秒

心臓や血圧は、たぶんランニングの積み重ねのおかげです。

でも、肺だけは別です。1秒率は、正常の下限ぎりぎり。以前の記事で書いた、肺年齢77歳の肺です。

マラソンをするのに、肺の機能が低いのは、本当は致命的です。

それでも私が「80歳でフルマラソンを走る」と掲げているのは、たぶん、この危機感があるからです。

数字を眺めていて、いちばん驚いたのは、睡眠中の呼吸数でした。

いちばん少ない時で、1分間に7回しか息をしていない。

見た時は、さすがに大丈夫かな、と不安になりました。

鎮痛剤を飲んだことがあったので、その影響かとも疑いました。でも、過去のデータを遡ると、以前にも似た数字が出ていた。どうも、体質なのかもしれません。

妻に話したら、「無呼吸症候群じゃないの?」と言われました。

今のところ、ほかに気になる症状はありません。ただ、喘息のこともあるので、次の診察の時に、この数字をお医者さんに見せて聞いてみるつもりです。

もうひとつ、正直に書いておくと、VO2maxの50という数字には、特に何も思っていません。もっとすごい人のデータを見たことがあるので、むしろ少なくて恥ずかしいくらいです。

肺のほうは、40代から治療していれば、もう少し何とかなったのかな、と思うこともあります。

数字が、上がれば嬉しい。下がれば萎える

この記事を考え始めた時、私は、このデータを中心に書くつもりでした。

自分の体が数字で見られるのは面白い。そう思っていたのです。

でも、書き進めるうちに、分かってきました。

数字は、上向いていれば、やる気につながります。

でも、下がり始めたら、やる気も一緒に下がる。

数字とは、そんなものです。

見て楽しめるのは、向上している間だけ。上がらなくなれば、つまらないデータになります。

マラソンの本質は、やっぱり練習時間と距離なのだと思います。もちろん、距離だけでは足りないところもあります。でも、距離を踏まずに速くなる方法を、私は知りません。

そして、距離を踏むために一番必要なのは、才能でも、根性でもない。

家を出ることです。

▶ 肺年齢77歳の話は、こちら → 「80歳から77歳。これって、よくなったの? 悪くなったの?」

予定を入れろ、と言うやつが、申し込みを忘れた

さて、ここまで「前の晩に決めておけ」「予定を入れれば動ける」と書いてきました。

そんな私が、何をしたか。

前回の記事で、「11月1日の淀川市民マラソンを、練習として走る」と書きました。ブログで公言したわけです。会社の予定も確認して、安心していた。

ただ、申し込みを、忘れていました。

締め切りを、間違えて覚えていたのです。

バケットリストの記事では、「私は意思では動かない。予約で動き出す人間だ」と書きました。その予約を、入れ忘れた。

……ただ、本音を言うと、迷っていたのかもしれません。

この季節、このスケジュールで、フルマラソンを走る意味があるのか。正直、今でも少し疑問に思っています。

それでも、慌てて別の大会に申し込みました。10月25日の、淀川ロケットマラソンです。同じ淀川で、予定より1週間早いレースです。準備期間が、1週間短くなりました。

でも、不思議なものです。

この時期にフルマラソンを入れたからこそ、10月に300kmを踏めたのだと思います。

強制的に予約を入れる。

予約を入れると、自分のスイッチが入る。

スイッチが入ると、ルーティンを回せる。

やっぱり私は、予約で動く人間のようです。……入れ忘れさえしなければ。

▶ 「予約で動く」と書いたバケットリストの記事は、こちら → 「なぜFIRA60にバケットリストは必要か?——妻と娘との食事で、特上ひつまぶしを3人分」

おわりに

この記事は、10月25日のレースの前に書いています。

結果が出てから書いたほうが、読み物としては面白いのかもしれません。でも、レースの前の自分を、確かめておきたかったのです。

9月に200km、10月に300km。肺は77歳。睡眠中は、1分間に7回しか息をしていない。

それでも、走れる日には、家を出る。

300km走ることが難しいのではありません。

前の日の仕事が忙しかった朝に、気持ちを切り替えて、家を出ることが難しい。

それは、走らない方にとっても、たぶん同じではないでしょうか。仕事でも、家事でも、何かを始める最初の一歩が、いちばん重い。

レースの結果は、次回のジャーナルで報告します。

本番レースは、大阪マラソン(2027.2.28)の抽選には当選しました。

流石にこれを忘れる訳には行きませんよね。

それでは、また。

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