「出口」に到達できる人は1割。じゃあ、9割はどうすればいい?——58歳の正直な答え

FIRA60ー退職

50代で「お金の出口」に到達できる人は、わずか1割。

そんなデータを見ました。

こんにちは、西風スマイルです。
58歳、サラリーマン歴40年、FIRA60(60歳リタイア)を目指しています。

正直、この数字を見たとき、ちょっと身構えました。

「1割」という言葉は、強い。

裏を返せば、「9割の人は到達できない」ということです。
それなら、9割の人はどうすればいいのか?

絶望すればいいのか?
諦めるしかないのか?

——いいえ、違います。

この記事では、40年間のサラリーマン生活で見てきた4人の先輩の姿から、
「9割の人にも、自分なりの出口がある」ということを、正直に書いていきます。

衝撃のデータ:50代の1割しか「出口」に到達できない

まず、データを見てみます。

最新の調査(2024〜2025年)によると、50代の状況はこうです。

準備を開始している人:約80%
投資資産を保有している人:約38%
「出口」を確信できる層:10〜18%

「出口」というのは、4%ルールのような資産運用で老後資金の不安をほぼ解消できている状態、と言われます。
具体的には、3,000万円以上の金融資産を持っているかどうかが、一つの目安です。

数字で見ると、厳しい現実が見えてきます。

50代の8割は何らかの準備をしているけれど、
そのほとんどは預貯金中心

実際にリスク資産を運用している人は4割弱
そして「これなら大丈夫」と確信できる人は1〜2割しかいない。

このデータを見て、絶望する人もいるかもしれません。

でも、私は思います。
統計の話より、身近な人を見た方が、答えに近づくと。

私の同期と先輩、4人の「出口」

30年同じ会社にいると、多くの退職を見送ることになります。

私の周りには、すでに退職した同期や先輩がいます。
それぞれが、それぞれの「出口」に向かっていきました。

匿名化して、4人の姿を書き残しておきます。

先輩A(同い年、55歳で早期退職)

私とは同い年で、55歳で会社を辞めた人物です。

金融資産を計画的に積み上げ、早期退職を決断。
退職後は、YouTubeで収益化を目指したと聞きました。

収益化できているのかは、わかりません。
でも、彼の表情には、会社員時代にはなかった軽やかさがあったそうです。

これは、FIREに近い形かもしれません。
1割の中の、さらに少数派。

先輩B(57歳で退職)

会社の早期退職金割増に応募して、辞めた先輩です。

退職金は割り増しされて、それなりにまとまった額が入りました。
でも、退職後もアルバイトを転々としています

「お金が足りないわけじゃない」と言っていました。
でも、完全に働かない選択は、できなかったようです。

先輩C(58歳で退職)

金融資産はあったはずです。
普通に退職して、年金生活に入るつもりだった先輩です。

でも、退職後、彼はアイデンティティを失ったように見えました。

会社員という肩書きを失い、毎日することがなく、引きこもり気味に。

お金は足りていても、心の出口は別だった。

先輩D(体調を崩して58歳で退職)

健康上の理由で、退職せざるを得なかった先輩です。

その後の消息は、よくわかりません。
70代後半で亡くなったという話が、風の便りに届きました。

健康は退職後に大きく影響すると感じさせられました
そう思わせる、忘れられない先輩です。

4人を見て、思ったこと

それぞれが、まったく違う「出口」に向かいました。

経済的な出口に到達できたのは、おそらく先輩Aと先輩Cの2人。
でも、心の出口に到達できたのは、たぶん先輩Aだけ。

つまり、「お金の出口」と「心の出口」は、別物なのです。
1割という数字は、お金の話だけ。
本当の出口は、もっと複雑です。

時代が変わった——インデックス投資のなかった世代との違い

ここで、もう一つ大事なことを書いておきます。
世代によって、お金の作り方が違うのです。

私たちより10歳以上年上の先輩たちは、こう生きていました。

・現役時代に住宅ローンを完済
・退職時にまとまった退職金を受け取る
・退職後はダウンサイジング(家計の縮小、車の手放し)
・そして年金で普通に暮らす

これが、当たり前の人生設計でした。

なぜなら、彼らの時代には:

退職金が今より厚かった
年金が今より手厚かった(受取も早かったです)
インフレが少なかった

だから、「ローン完済 → 退職金 → 年金」の3点セットで、人生は成り立った。

でも、私たちの世代は違います。

インデックス投資が広がったのは、ここ7〜8年ほど
NISAが拡充されて、ようやく「個人が長期投資できる土壌」ができました。

私自身、48歳で投資を再開したのも、この流れの中ででした。

つまり、私たちは「過渡期の世代」なのです。

旧来型の「ローン完済モデル」では、もう生き残れない。
かといって、若い世代のように「最初からNISA前提」でもない。

新しいやり方を、自分で見つけるしかない世代——
それが、私たち50代後半です。

じゃあ、私の世代の「普通」は?

私の同期、3歳上の先輩たち——
「普通」の人たちが、今どんな状況にいるかを書きます。

これは、4人の特殊事例ではなく、大多数の話です。

ほとんどの人は、こうです:

・住宅ローンが、まだ残っている
・退職金の一部を、リフォーム費用に充てる
・退職後も、再雇用で働き続ける
・時間ができても、「誰かに時間の所有権を渡している」

これが、私の世代の「普通」です。

先輩Aのように、資産を積み上げて早期退職する人は珍しい
私の周りでも、ごく少数です。

「1割しか到達できない」というデータは、現実とよく合っていると感じます。

ただ、先ほど書いたように、「お金の出口」だけが出口ではありません

再雇用で働きながら、好きな時間も持てる生活。
住宅ローンを返しながら、月に一度は旅行を楽しむ人生。

これも、立派な「出口」の形です。

「出口」の定義を、変えてみる

ここで、大事な提案があります。
「出口」の定義を、1億円や4%ルールだけに縛らないでほしいのです。

「入ってくるお金 ≧ 出ていくお金」

この状態を作れたら、それがあなたの出口です。

具体的に、3つの戦略があります。

戦略① 筋肉質な家計を作る

資産運用で月5万円の利益を出すには、約2,000万円(利回り3%計算)が必要です。
でも、生活費を月5万円削るのに、いくら必要でしょうか?
答えは、0円です。

つまり、50代からの家計見直しは、1,000万円単位の資産運用に匹敵するパワーを持っています。

無駄な保険、使っていないサブスク、惰性の出費——
これを整理するだけで、月数万円の余裕が生まれます。

筋肉質な家計は、今からでも作れる
これは、9割の人にも開かれた道です。

戦略② 会社員以外の稼ぎ口を作る

4%ルールは、資産を取り崩す恐怖を伴います。

でも、月数万円を自分で稼げるようになれば?
資産を減らさずに、出口を作れるのです。

50代からブログを始める。
専門スキルでコンサルをする。
趣味を仕事につなげる。

これらは、ただの「副業」ではありません。
最強の出口戦略の一つです。

私自身、このブログを書いている理由の一つも、ここにあります。
ブログは、私の将来の「収入源」になるかもしれない——
そう信じて、続けています。

戦略③ 時間の使い方を変える

お金は、後からでも(ある程度は)作れます。
でも、50代・60代の「健康な時間」は二度と戻りません

「今しかできない体験」への支出を、資産運用と同等以上に大切にする

5月、私は人生初の北海道ツーリングに行きます。
31年待った旅です。
この時間に使うお金は、最高の投資だと思っています。

時間の使い方を変えるのに、1億円は要りません
今ある時間に、意味を与えること。
これも、9割の人に開かれた出口です。

私自身も、まだ「出口」の途中にいる

私は、1割の中に入れた可能性はあります。
資産は、ある程度積み上がりました。

でも、「到達した」とは、まだ言えません

なぜなら、取り崩しの痛みを、まだ知らないからです。

机上の戦略は完璧でも、実際に資産を減らし始めたとき、
自分の心がどう動くか——
私は、まだ経験していません

そして、心の出口も、まだ途中です。

退職後の自分が、先輩Cのようにアイデンティティを失うのか、
それとも、先輩Aのように軽やかに新しい挑戦ができるのか。
やってみないと、わからない

統計の1割に入れたとしても、それで終わりではありません
そこから、本当の人生後半が始まります。

結論:1割の話より、自分の出口を作る

50代で「お金の出口」に到達できるのは、1割。

これは、事実です。
受け止めなければいけない、厳しい数字です。

でも、1割に入れない9割の人にも、道はあります

・筋肉質な家計を作る
・自分で稼ぐ力をつける
・時間の使い方を変える

これらは、今日から始められる戦略です。
そして、1億円や4%ルールよりも、現実的です。

そして、お金の出口に到達した1割の人にも、伝えたいことがあります。

「心の出口」は、別物です。

数字に到達しても、肩書きを失ったときに崩れる人もいます。
逆に、お金が十分でなくても、新しい挑戦で輝く人もいます。

私たちは、過渡期の世代です。
インデックス投資という新しい武器を持ちながら、
親世代のような安定した年金は期待できない。

だからこそ、自分なりの出口を、自分で定義するしかありません。

最後に、これを読んでくださった方へ。

統計の数字に、振り回されないでください。

1割の話より、あなた自身の出口を考えてください。

「いくらあれば足りるか」より、
「どう生きたいか」を先に決めてください。

私もまだ、その答えを探している途中です。
60歳まで、あと2年。

その間に、「自分の出口」の輪郭を、もう少しはっきりさせていきたい。
そう思っています。

※ データ参照

・金融広報中央委員会(知るぽると)「家計の金融行動に関する世論調査」

・金融経済教育推進機構(J-FLEC) 統計データ(2023〜2025年)

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