こんにちは、西風スマイルです。
先日、12日間・約2,800kmの北海道ツーリングに行ってきました。旅そのものの感想は別の記事に書いたので、こちらは少しニッチに、「オープンカーで北海道を走ろうと思っている人」へのデータと注意点をまとめておきます。
私自身、行く前は「5月でいいのか」「知床峠は通れるのか」「どっち回りがいいのか」で、ずいぶん迷いました。
同じことで迷う人の役に立てばと思って、走って分かったことを残します。
下調べでは、バイクのツーリング系のYouTubeを、ずいぶん参考にさせてもらいました。車もバイクも、走る道は同じ。先人の映像は、本当にありがたかったです。
そして、ひとつ。——オープンカーは、寒さより暑さに弱い。
強い日差しの下では、かえって屋根を開けていられない。この話は、後半の装備のところで、もう少し詳しく書きます。
走るだけの旅に、しない
ひとつだけ、最初に。
今回は「ただのツーリング」にはしたくありませんでした。
妻の希望だったカヌーとノロッコ号を組み込んで、釧路に2泊。
走ることと、走らずに体験することを、半々にした旅です。
今回の12日間は、ざっくり三つに分けて組みました。
前半の1〜4日目は、ツーリングがメイン。日本海側を一気に北上する、走る喜びの期間です。
中盤の5〜10日目は、体験がメイン。知床のクルーズ、源流のカヌー、湿原の散策など、降りて過ごす時間を厚くしました。
そして終盤の11〜12日目は、ツーリングと温泉。襟裳を回りながら、最後はのんびり湯に浸かって締める。
走る・体験する・休む、のメリハリをつけると、12日間でも飽きることなく、58歳の体もなんとか持ちました。
オープンカーの旅は移動が主役になりがちですが、降りて過ごす目的地をいくつか混ぜておくと、満足度がぐっと上がります。
スタート地点は、苫小牧か小樽から選べる
計画段階の話を、ひとつ。
北海道に入る港は、苫小牧と小樽が、よく使われます。
そして、どちらの港に着くかは、関西側のどこから乗るかで、だいたい決まります。
たとえば、舞鶴からなら小樽、敦賀からなら苫小牧、という具合です(便や時期、乗船港で航路が変わるので、予約時に必ず確認してください)。
これが、地味に効きます。苫小牧に入れば、室蘭・洞爺湖方面から。
小樽に入れば、積丹・日本海側から、いきなり走り出せる。
どの港に着くかで、スタート地点が変わるわけです。
私は敦賀から苫小牧に入って、道南をぐるっと回ってから日本海側を北上しました。
でも、積丹や日本海側を最優先したいなら、舞鶴から小樽スタート、という手もあると思います。
なぜ、6月ではなく5月だったのか
北海道ツーリングのベストシーズンは、一般的には6月と言われます。花も緑も出そろい、天候も比較的安定して、ライダーにも定番の時期です。それでも私は、あえて5月を選びました。
5月にしかない景色があるからです。
雪の残る羅臼岳や、雪をかぶった利尻富士。これをオープンカーで走りながら見られるのは、5月ならでは。知床峠も、ちょうど開通したばかりの季節でした。さらに、芝桜やチューリップなど、本州とは違う時期に咲く花にも出会えました。
もちろん、いいことばかりではありません。
あとで書く知床峠の時間制限、道東の海霧、朝晩の冷え込み、日中の強い日差し——5月には5月の難しさがあります。それでも私は、「5月にしてよかった」と思っています。あくまで私の選択ですが、雪と花の両方を狙うなら、5月は悪くないと思います。
知床峠は「通れる時期」と「通れる時間」に注意
今回いちばん、事前に調べてよかったのが知床峠(国道334号・知床横断道路)です。
この道は冬期は全面通行止めで、例年4月下旬に開通します(ゴールデンウィーク前の開通を目標に除雪)。
ただし、開通したからといって、いつでも通れるわけではありません。
標高738mの峠は市街地より4〜5℃低く、開通直後は夜間の路面凍結を避けるため、夜間通行止めが続きます。これが段階的にゆるみ、終日通れるようになるのは、おおむね5月下旬から6月中旬ごろです。
私が越えたのは5月下旬の手前。
まだ時間制限がある期間だったので、午前中に峠を越えました。これが大正解で、雪の残る知床連峰を、澄んだ空気の中、オープンで走れました。この景色は、5月のこの時間帯にしか味わえないと思います。
注意してほしいのは、「開通しているか」だけでなく、「何時から何時まで通れるか」です。開通日も夜間規制の解除時期も年によって動きますし、天候次第で開通後でも通行止めになります。出発前に、北海道開発局(網走開発建設部・釧路開発建設部)の最新情報を必ず確認してください。
5月の道東は、海霧で「晴れていても見えない」
もうひとつ、5月の道東(釧路・知床、または襟裳あたり)で覚えておきたいのが、海霧です。
天気予報が晴れでも、沿岸では海霧が出て、景色がまったく見えないことがあります。
春先は春霞も出るので、なおさらです。
私も、知床五湖は真っ白、最終日の襟裳岬も海霧で何も見えませんでした。600頭以上いるというアザラシも、気配すら分からず。
だから道東では、「見られるものは、その日のうちに見ておく」のが鉄則だと感じました。翌日が晴れ予報でも、霧が出れば見えない。一期一会だと割り切って、できることはその日にやる。これは、旅全体の動き方にも効いてくる考え方でした。
もうひとつの注意——熊と、鹿
頭に入れておきたいのが、野生動物です。
まず、熊。
5月は、ヒグマの活動が活発になる時期(繁殖期)にあたります。
実際、私も知床で、オスのヒグマに遭遇しました。車で走っているぶんには、出会いがしらに驚くくらいですが、湿原の木道を歩くときは、本当に要注意です。クマ鈴を持つ、時間帯や通行規制を事前に確認する、単独行動を避ける——最低限の備えはしておいたほうがいいと思います。
そして、意外と侮れないのが、鹿です。
地元の人によると、鹿は最近とくに増えているそうで、夕方から夜、そして早朝にかけて、道路を横切ってきます。しかも、1頭や2頭ではなく、群れで渡ってくる。
地元でも、接触事故がよく起きているとのことでした。
私も一度、夜の霧の中で鹿の大群に出くわし、危うくぶつかりそうになりました。1頭目をよけても、続く2頭目が来る——これが、いちばん怖いパターンです。夕方以降に走るときは、スピードを落として、路肩にも目を配ってください。
コースは「海が常に左」になるように組んだ
これは、オープンカー乗りにこそ伝えたい話です。
日本は左側通行なので、海沿いを走るとき、進む向きによって、海が右に来るか左に来るかが変わります。私は、海がいつも運転席の左側に来るように、北海道を反時計回りに回りました。
いちばんの理由は、海の風景を、対向車に邪魔されないためです。
海が左にあれば、自分と海のあいだには、何もありません。でも、もし海が右側だと、海を眺めるたびに、対向車線の車が視界を横切って、せっかくの景色を遮ってくる。オープンカーで景色を楽しむなら、この差は、思った以上に大きいんです。
具体的には、日本海側(オロロンライン)を北へ上がり、最北の宗谷から、オホーツク・太平洋側を南へ下る。こうすると、行きも帰りも、海が常に左。停めて写真を撮るときも、左の海側に寄せられるので、対向車線をまたがずに済みます。
下調べして、特に走りたかったルート
北海道へ行く前、地図とにらめっこして「ここは絶対に走りたい」と思っていたルートを、挙げておきます。実際に走って、期待を裏切らなかった道ばかりです。
- 洞爺湖一周(オープンで湖をぐるりと)
- 神威岬・積丹半島
- オロロンライン(とくに道道106号・稚内天塩線)
- 宗谷丘陵・白い道
- 稚内から枝幸へ、オホーツク海側へ抜ける道(道道1077号・稚内猿払線)
- 知床峠
- 美幌峠
そして、事前にはそれほど期待していなかったのに、意外と素晴らしかったのが、摩周湖まわり、襟裳岬、そして野付半島でした。下調べした道は裏切らない一方で、こういう「予定外の当たり」があるのも、旅の面白さです。
ひとつ、組み方のコツを。神威岬と積丹半島は、できれば午前中の光で回りたかったので、その手前の岩内町に一泊しました。絶景ロードは「どの時間に通るか」まで決めておくと、満足度がぐっと上がります。
ルート選びで、迷ったこと
今回いちばん迷ったのが、知床から先のルートでした。
知床から、根室まで足を延ばす選択肢もありました。でも、根室まで行くと、ほとんど「走るだけ」のツーリングになってしまう。
今回は、妻の希望だった釧路のカヌー——それも源流のカヌーコース——を入れたかったので、知床から野付に寄り、中標津を経て、屈斜路湖方面へ抜けるルートにしました。
おかげで、摩周湖、硫黄山、美幌峠という、湖と峠の景色も組み込めました。
釧路を、どう楽しむかも悩みました。
釧路湿原はとにかく広く、しかも国立公園。
どう味わえばいいのか迷った末に、源流のカヌー、ノロッコ号、そして木道散策、という三つに絞りました。
走るだけでは触れられない、湿原の「中」に入る体験ができて、これは正解だったと思います。
宿泊と体験の、小さな反省
次に行く人のために、反省も二つ。
ひとつは、宿泊です。
留萌に泊まったのですが、留萌は小さな町で、宿泊施設が限られていました。正直、これという良いホテルが見つからなかった。
あとで知ったのですが、その少し先の苫前(とままえ)には、道の駅の中にホテルがあります。ルート的にも、苫前泊のほうがよかったかもしれません。
小さな町を経由するときは、宿の選択肢を、早めに調べておくことをおすすめします。
もうひとつは、体験です。今回はカヌーやクルーズを入れましたが、振り返ると、乗馬体験も入れたかった。
北海道には牧場が多く、馬と触れ合える場所もあります。次に行くなら、ぜひ組み込みたいと思っています。
車の準備と、5月の装備
最後に、実務的なことを少しだけ。
2,800kmの長距離、しかも北海道の道は思った以上に荒れていました。(速度抑制道路みたいな仕組み、凸型構造的なものもあります)
足回りの硬い車だと、路面の悪さがそのまま体にきます。
私は出発前に、プラグとリアのハブベアリング、それにオイルとオイルフィルターを交換しておきました。これは本当にやっておいてよかった。長距離前の点検は、ケチらないほうがいいです。
体のほうも、無理は禁物です。私は1時間に1回は、休憩を入れるようにしていました。年齢のせいもありますが(笑)、結果的にこのペースが、景色も体も楽しめてちょうどよかったです。
そして、冒頭にも書いた、オープンカーは暑さに弱い、という話です。
5月でも日中は20℃を超えて、日差しが強すぎて、オープンにできない時間帯もあったほどでした。寒さは着込めばどうにかなりますが、強い日差しはどうにもなりません。帽子、サングラス、日焼け対策は必須です。
一方で、朝晩や峠は冷えるので、防寒も忘れずに。「初夏の格好」と「春先の格好」を両方積んでおくくらいが、ちょうどいいと思います。
走行ルートまとめ(12日間・約2,800km)
参考までに、今回のルートを載せておきます。表の距離は、立ち寄りポイントを結んだ、おおよその目安です。実際には、寄り道をしたり、行ったり来たりしたので、走った距離はもう少し伸びています。市街地走行なども含めた総距離が、約2,800kmでした。
| 日程 | ルート | 主な立ち寄り・ポイント | 距離(目安) |
| Day1 5/16 | 苫小牧→函館 | 室蘭・地球岬/洞爺湖/長万部 | 約280km |
| Day2 5/17 | 函館→岩内町 | 早朝の函館山/滝瀬海岸シラフラ/弁慶岬 | 約280km |
| Day3 5/18 | 岩内町→留萌 | 神威岬/積丹半島/小樽 | 約280km |
| Day4 5/19 | 留萌→枝幸町 | オロロンライン/道道106号/宗谷岬/宗谷丘陵・白い道 | 約330km |
| Day5 5/20 | 枝幸町→網走 | 芝桜滝上公園/かみゆうべつチューリップ公園/サロマ湖 | 約270km |
| Day6 5/21 | 網走→知床(ウトロ) | 網走監獄/天に続く道/オシンコシンの滝/知床五湖 | 約80km |
| Day7 5/22 | 知床→中標津 | 知床峠/熊の湯/羅臼/知床ネイチャークルーズ/野付半島 ★知床峠 | 約150km |
| Day8 5/23 | 中標津→釧路 | 開陽台/神の子池/摩周湖/硫黄山/美幌峠 | 約200km |
| Day9 5/24 | 釧路(拠点泊) | 釧路川源流カヌー/川湯温泉/温根内木道ハイキング | 約120km |
| Day10 5/25 | 釧路(拠点泊) | ノロッコ号/丹頂鶴自然公園/湿原展望台(散策道あり) | 約40km |
| Day11 5/26 | 釧路→襟裳岬 | 幸福駅/六花亭/晩成温泉(ヨード泉) | 約250km |
| Final 5/27 | 襟裳岬→苫小牧 | 襟裳岬 風の館/優駿メモリアルパーク/登別温泉(苫小牧から片道約1時間) | 約400km |
行き:敦賀港(5/14 23:55発) → フェリー → 苫小牧港(5/15 20:30着)
帰り:苫小牧港(5/27発) → フェリー → 敦賀港(5/28 20:30着)
※最終日に登別温泉まで足を延ばしたため、その日の走行は約400kmになりました。
以上、オープンカーで北海道を走るための、私なりのデータでした。
旅そのものの感想は、別の記事に書いています
(→31年越しの北海道、2,800km。——58歳、ロードスターで走った12日間)
これから北海道を走る誰かの、コース選びの足しになればうれしいです。
※通行情報・開通時期などは2026年5月時点のものです。最新の状況は、必ず公式サイトでご確認ください。


コメント